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恒例の出初式:消防団の「はしご乗り」はいつ?その演技の魅力とは? 

恒例の出初式:消防団の「はしご乗り」はいつ?その演技の魅力とは? 

新年の始まりを告げる風物詩として全国各地で行われる「出初式(でぞめしき)」

その中でもひときわ注目を集めるのが、消防団による伝統の演技「はしご乗り」です。

勇壮で華やかなこの演技は、無火災を祈る願いと、消防の誇りを象徴するものとして多くの人々を魅了しています。

出初式はいつ行われる?

出初式・纏(まとい)振り

 

出初式は、全国的に毎年1月6日から10日ごろに開催されます。

地域によって日程は少しずつ異なりますが、東京消防庁の出初式が行われるのは例年1月6日になります。

新年の仕事始めの時期に合わせて行われることが多く、消防関係者にとっても一年のスタートを飾る重要な行事です。

この出初式では、消防隊の行進や放水訓練、救助演習などが披露され、消防団員や機材の力強さを間近で見ることができます。

そして、イベントのハイライトが「はしご乗り」です。

「はしご乗り」とは?

「はしご乗り」とは、江戸時代の火消し(ひけし)=町火消したちによって受け継がれてきた伝統の技です。

10メートル近くある高い竹のはしごの上で、団員が体ひとつで様々な技を披露します。

足場もなく、命綱もつけずに演技を行う姿はまさに職人技と言えます。

代表的な技には次のようなものがあります。

 

 

  • 「片手放し」 … 片手でバランスを取りながら空中に身体を伸ばす技

  • 「三方開き」 … 三人の団員がそれぞれ別方向に体を伸ばして静止する技

  • 「逆立ち」 … はしごの頂点で逆立ちして静止する大技

  • 「見得(みえ)」 … 江戸歌舞伎のようにポーズを決める瞬間

どの技も命がけで、見る者の息を呑む迫力があります。

 はしご乗りの歴史

この伝統は、江戸時代の町火消し文化にルーツを持ちます。

当時、火災現場では見通しが悪く、どこに火が回っているのかを確認するために火消したちは高いはしごに登って指揮を取っていました。

その中で自然と、身軽さや勇敢さを示すための技が生まれ、それがやがて「はしご乗り」として発展しました。

明治以降は、実際の消火活動よりも「安全祈願」や「伝統継承」の意味を込めて披露されるようになり、現在では日本の消防文化を象徴する伝統芸能のひとつになっています。

演技の魅力と意味

 

はしご乗りの最大の魅力は、「勇気・団結・伝統美」の三拍子です。

  1. 勇気 … 命綱を使わずに高所で演技する緊張感は、まさに勇者の証です。

  2. 団結 … はしごを支える下の団員と、技を決める上の団員が息を合わせて初めて成功します。

  3. 伝統美 … 江戸風の装束や纏(まとい)、法被(はっぴ)など、粋な衣装も見どころです。演技のたびに「よっ!」「粋だね!」といった掛け声が響き、会場全体が活気に包まれます。

 

また、はしご乗りは単なるアクロバットではなく、「災いを見晴らす」「火災を防ぐ」祈りの儀式としての意味も込められています。

新しい年を安全に過ごせるよう願う、消防団員たちの真剣な思いがそこにあります。

現在の開催と見学ポイント

 

東京では「東京消防出初式」(会場:東京ビッグサイトや晴海埠頭など)が特に有名で、テレビ中継されることもあります。

各地の自治体でも、地元消防団が中心となってはしご乗りや放水演技を行い、家族連れや子どもたちに大人気です。

見学する際は、防寒対策をしっかり行い、演技の際には立ち入り禁止区域に入らないよう注意しましょう。

冬の澄んだ空に放たれる放水の虹と、はしごの上の勇姿は、一年の始まりにぴったりの光景です。

まとめ

 

出初式の「はしご乗り」は、江戸の町火消しの心意気を今に伝える伝統芸です。

毎年1月初旬に行われるこの行事は、消防団員たちの勇気と技術、そして地域の安全を守る誓いが詰まった舞台です。

新しい年に無火災・無災害を願いながら、空高く舞う団員たちの姿を見上げる瞬間こそが、出初式の最大の感動といえるでしょう。

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