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神無月とは?2025年はいつ?出雲大社で神々が集まる理由とは?

神無月とは?2025年はいつ?出雲大社で神々が集まる理由とは?

日本の旧暦10月は「神無月(かんなづき)」と呼ばれ、全国の神々が一斉に出雲へ集う月と伝えられています。

人々のもとを離れた神々は出雲大社に集まり、「神議り(かみはかり)」と呼ばれる会議で縁結びや来年の運命を定めると信じられてきました。

そのため各地では神がいなくなる「神無月」とされる一方、出雲ではむしろ「神在月(かみありづき)」と呼ばれ、神々を迎える荘厳な祭礼が今も受け継がれています。

神無月とは?

神無月(かんなづき)は旧暦(太陰太陽暦)で10月のことを指す和風月名です。現在の新暦ではおおよそ11月上旬から12月上旬ごろにあたります。

日本では古くから各月に雅やかな呼び名がつけられており、神無月もその一つです。

名前の由来

神無月の語源にはいくつか説があります。

1・神無き月説(全国の神々が出雲へ集まる)
日本各地の神々が旧暦10月に出雲大社(島根県)へ集まり、人々の縁や来年の運命について会議をすると伝えられています。
そのため、各地には神がいなくなる → 「神無月」と呼ばれるようになったという説です。
逆に出雲ではこの月を 「神在月(かみありづき)」 と呼びます。

2・「無」は“の”を意味する説(神の月)
古語では「無(な)」が「の」という意味で使われることがあり、「神無月=神の月」と解釈する説もあります。
神様を祀る祭りが多い月であることから、この説も有力とされます。

3・農耕由来説(刈り取り終わりの月)
稲の収穫を終え、農作業が一区切りつく「無事な月」「穀物の無くなる月」という意味からきたという説もあります。

神無月に行われる風習や行事

神在祭(かみありさい)
・出雲大社をはじめ、島根県出雲地方の各神社では旧暦10月に神々を迎える祭礼が行われます。
全国から集まる八百万の神々に感謝し、縁結びや五穀豊穣を祈る大切な行事です。

・新嘗祭(にいなめさい)
収穫を神に感謝する宮中行事。現在は11月23日に勤労感謝の日と重なって行われています。

・各地の秋祭り
五穀豊穣を祈願する収穫祭が多く執り行われる時期で、古来より人々にとって特別な月でした。

神無月の季語

俳句や和歌の世界でも「神無月」は秋の季語として用いられます。
「神去月(かみさりづき)」や「雷無月(かみなしづき)」などの異称もあり、豊かな表現で文学作品に登場します。

2025年の神無月(旧暦10月)

  • 旧暦の 2025年10月1日 → 新暦 2025年11月20日(木)

  • 旧暦の 2025年10月30日 → 新暦 2025年12月19日(金)

つまり、2025年11月20日から12月19日までが神無月 です。

◆ 神無月に神々が出雲へ集まる理由

1. 八百万(やおよろず)の神が集う「神議り(かみはかり)」

旧暦10月、全国の神々は出雲に集まり「神議り(かみはかり)」という会議を開くと伝えられています。
この会議では、次のような大切なことが話し合われるとされます。

  • 人と人との縁(縁結び)
    誰と誰が結ばれるか、良縁・悪縁をどうするか。

  • 人と仕事・土地との縁
    商売繁盛、就職や移住の運命、土地とのご縁。

  • 自然や農作の縁
    五穀豊穣や天候、地域の恵みに関すること。

つまり、神無月に神々が出雲へ集まるのは「人や自然のあらゆる縁を決める大集会」のためとされています。

2. なぜ「出雲」なのか?

出雲は古代から「縁結びの聖地」とされ、特に出雲大社に祀られている 大国主大神(おおくにぬしのおおかみ) が深く関係します。

  • 大国主大神は「縁結びの神」「国造りの神」として知られる。

  • 天照大御神(伊勢神宮の主祭神)から「国譲り」をした後、人々の縁を司る役割を担ったとされる。

  • そのため、全国の神々はこの月に出雲へ集まり、大国主大神を中心に縁の取り決めを行う、と信じられるようになったのです。

3. 出雲以外が「神無月」、出雲が「神在月」と呼ばれる理由

  • 各地の神々が出雲へ向かうため、地元からいなくなる → 神無月(かんなづき)

  • 出雲だけは神々が集まる → 神在月(かみありづき)

これは古くからの民間信仰の中で育まれた特別な考え方で、日本独自の宗教観を表しています。

4. 神在祭(かみありさい)

この神々の集会を目に見える形にしたのが、出雲地方で行われる 神在祭 です。

  • 神迎祭(かみむかえさい):稲佐の浜に神々を迎える神事。

  • 神在祭(かみありさい):出雲大社や出雲の社で神々を祀り、縁結びや豊穣を祈る。

  • 神々は1週間ほど滞在されると信じられており、この間、出雲の地は特別な霊的エネルギーに包まれるといわれます。

まとめ

神無月は、各地の神々が出雲大社に集い、人と人、そして自然とのさまざまな縁を定める特別な月と伝えられてきました。

全国では「神無月」と呼ばれる一方、神々を迎える出雲では「神在月」として、今も神迎祭や神在祭が厳かに行われています。

古代から受け継がれるこの信仰は、縁結びの聖地としての出雲の姿を今に伝え、人々に「つながり」や「ご縁」の大切さを思い起こさせてくれるのです。

 

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この記事を書いた人

ユウ

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