除夜の鐘は何時から何回鳴る?その意味と時間を解説

1年の締めくくりである大晦日の夜、深い音色が響き渡る「除夜の鐘」。
古くから日本では、新しい年を迎える前にこの鐘の音を聞くことで、心を清め、穏やかに年越しを迎えるとされています。
では、除夜の鐘は何時から鳴らされるのか、そしてなぜ108回も鳴らすのか。
この記事では、除夜の鐘の意味や由来、鳴らされる時間の目安を、具体的にわかりやすく解説します。
除夜の鐘とは?

「除夜の鐘(じょやのかね)」は、大晦日の夜(12月31日)から元日の深夜にかけて、全国のお寺で鳴らされる鐘のことです。
“除夜”の「除」は「古い年を除く」「新しい年に入れ替わる」という意味です。
つまり「除夜の鐘」とは、「年を越す夜の鐘」を指します。
鳴らし始める時間はいつ?
お寺によって多少の差がありますが、基本の流れはこうです。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 23時15分〜23時30分ごろ | 僧侶や参拝者の準備が始まる。鐘つきの整理券を配る寺もある。 |
| 23時40分〜23時50分ごろ | 鐘つき開始。参拝者も順番に鐘をつく。 |
| 23時50分〜0時00分前後 | 107回目まで鐘を鳴らす(この間に年を越すことも多い)。 |
| 0時ちょうど〜0時5分ごろ(元日) | 最後の1回(108回目)を新年になってから鳴らす。 |
つまり、大晦日と元日のあいだをまたいで鐘が鳴り響くのです。
多くの寺では、最後の1回を新年のはじまりに合わせることを大切にしています。
なぜ108回鳴らすのか?(数字の意味)
除夜の鐘が108回鳴らされるのは、「人間の煩悩(ぼんのう)」の数が108あるとされるためです。
煩悩とは、欲・怒り・妬み・迷いなど、心を乱すあらゆる感情のこと。
その108という数は、次のように導かれたものです。
仏教的な数え方の一例
人の感じる「感覚」=6種類(眼・耳・鼻・舌・身・意)
それぞれに「好・嫌・どちらでもない」=×3 → 18
さらに「清い・汚い・どちらでもない」=×3 → 54
それぞれが「過去・現在・未来」にわたる=×2 → 108
つまり、「人間が抱く108の迷い・欲望を、鐘の音で1つずつ祓い清める」というのが除夜の鐘の意味です。
鐘をつく順番と意味
| 回数 | 鳴らすタイミング | 意味 |
|---|---|---|
| 1〜107回目 | 大晦日(旧年中) | 今年1年の煩悩を払う |
| 108回目 | 元日(新年) | 新しい年を清らかに迎える |
最後の一打が「新年のはじまり」を告げる音となるわけです。
このように、過去と未来をつなぐ音として、除夜の鐘はとても象徴的な行事です。
実際の寺院の例

| 寺院名 | 開始時間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 京都・知恩院 | 23時30分ごろ | 日本最大級の鐘。僧侶17人が綱を引いて鳴らす迫力ある光景。 |
| 東京・増上寺 | 23時45分ごろ | 参拝者が整理券で順番に鐘をつける。 |
| 奈良・東大寺 | 23時30分ごろ | 除夜の鐘をつく様子が全国放送されるほど有名。 |
| 浅草寺(東京) | 23時45分ごろ | 108回すべてを僧侶がつき、観光客も見学可能。 |
鐘の音に込められた願い

鐘の深く響く音には、
「一年の苦しみ・怒り・欲望を手放す」
「新しい年を穏やかに迎える」
「自分の心を見つめ直す」
という願いが込められています。
夜の静けさの中で聞く鐘の音には、心を落ち着かせ、「新しい年は良い年にしよう」という気持ちを自然と呼び起こす力があります。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 鳴らす時間 | 大晦日23時40分〜元日0時5分ごろまで |
| 鳴らす回数 | 108回 |
| 意味 | 108の煩悩を払って心を清める |
| 鳴らす順番 | 107回目までを旧年、108回目を新年に鳴らす |
| 由来 | 人間の感覚・感情・時間を組み合わせた108の煩悩 |
| 象徴 | 古い年を除き、新しい年を迎える「年越しの音」 |
