初穂料(はつほりょう)とは、お祝いごとやお祭りのときに神社に納める謝礼のことを言います。
このご祈祷に対するお礼として、のし袋に包んでお渡しするのが初穂料です。
神社によっては社務所で分けていただくお守りやお札に対しても「初穂料」という言葉を使うことがあります。
ちなみにこの「初穂」という言葉は、神様にお供えするその年で、一番最初に取れた稲や穀物が由来となって近年まで語られております。
今はお賽銭からイメージできるように神様への祈祷の対価としてお金が出てくるのが普通ですが、昔の頃はお金ではなくお米や農作物でお納めするのが一般的だったんですね。
現在は名前だけ残して、初穂料としてお金を包んで神社に納めます。
七五三では神社でお祓いをしてもらうのが一般的ですが、お祓いをしてもらったり祝詞を上げてもらうのではなく、初詣のように参拝するだけという場合は初穂料は必要はありません。
初穂料はあくまでもお祓いの対価としてお納めするものなので、お参りするだけであれば通常、神社にお参りするときと同じで大丈夫と言う事になります。
お祓いやご祈祷を神社でお願いする場合は、必ず事前に準備して行くようにしましょう。
この記事のもくじ
初穂料は誰が払うのでしょうか?
それでは初穂料とは誰が準備してお納めすればいいのか?と言う事になりますが、初めての事ですと戸惑いが出てしまいますよね。
初穂料はご家族の誰が準備して払わないといけないか?実のところ特に決まりはないようです。
ですが七五三はこどもの成長を祝う大事なイベントですから、基本的にはご祈祷を受けるこどもの両親が支払うのが一般的とされています。
両親以外ですと、ご家庭によっては祖父母が支払う場合もあります。
または七五三のお祝いに祖父母が用意してくれたお祝い金のなかから初穂料を納めるというケースもあります。
七五三での費用は初穂料のみではありませんので、前もって家族全体で話し合っておくとスムーズに事が進むでしょう。
初穂料と玉串料の違いとは?
それでは「初穂料」と「玉串料(たまぐしりょう)」の違いとはいったい何なのか解説いたします。
単刀直入に申しますと初穂料と玉串料は基本的に同じです。
ですので初穂料と別に玉串料というものを用意する必要はありません。
玉串とは、榊(さかき)の枝に紙垂(かみしで)という紙を取り付けたもので、ご祈祷はこの玉串を神前に捧げて行います。
七五三のご祈祷でも同様、玉串を捧げながら祝詞を上げるのが一般的とされています。
この玉串の代金としてのお金を玉串料と呼ぶので、玉串料とは平たく言うとお祓いの代金のことです。
「初穂料」という呼び方はお守りやお札の代金にも使われますが、玉串料という呼び方は神様へのお供えものの代わりなのでご祈祷以外ではあまり用いません。
初穂料と玉串料では他にも違いがありますが、七五三のお参りに限って言えば同じものだと思って間違えありませんので、差し支えないでしょう。
七五三の初穂料の払い方
七五三のご祈祷には初穂料を持ってお参りに行かなければいけないという事がこれまでのお話でわかりました。
それでは、七五三の初穂料は一体相場としていくら程の金額を用意するものなのでしょうか?
また、初穂料を納めるとき、渡し方としてどのような作法に気をつければいいのでしょうか。
ここからは七五三で用意する初穂料の金額として一般的な相場はいくらなのか、神社に初穂料を納めるときの渡し方は何を気をつければいいのかについてお話していきます。
気になる相場はいくらなのか?
七五三の初穂料として納める金額の相場は5000円から20000円くらいが一般的とされています。
七五三の初穂料を用意しなければいけないと言われても、実際にいくらくらいの金額を用意すればいいのか分かりませんよね。
神社のほうでも「初穂料は5000円から」と決めているところが多くみられます。
ただし、これはあくまでも一般的な話で、神社側で金額が決められていない場合での相場です。
神社によっては七五三の初穂料はいくらか金額を決めている神社もあるので、必ず事前に確認するようにしましょう。
七五三のご祈祷をお願いする時は、事前に神社に行き申込みするか電話予約を入れるのが一般的です。
初めての事で金額について不安がある場合は、予約の時に確認することをおすすめいたします。
また、兄弟姉妹が居て一緒に七五三を祝う時は、まとめて準備しないで、ひとりあたりの金額を5000円から20000円を準備するようにしましょう。
渡し方はどのようにすればいいの?
七五三のご祈祷について、初穂料の渡し方について注意しなければいけない事が一つだけあります。
それは必ず「のし袋」に入れて持参し、のし袋ごと受付で巫女さんや神主さんにお渡しすることです。
中にはお財布からそのまま初穂料を支払う方も居ますが、そのまま支払う渡し方は好ましくありません。
のし袋は袱紗(ふくさ)というご祝儀袋を入れる専用の布に包んで持って行きましょう。
袱紗にはお祝い袋を汚さないようにという意味があり、のし袋を直接カバンから取り出すのは実のところマナー違反です。
のし袋は袱紗のまま巫女さんや神主さんの前に取り出し、袱紗を台のようにしてのし袋を取り出して渡すようにしてください。
のし袋を選ぶときに気をつけること
のし袋とは冠婚葬祭の際にお祝い金などを入れるご祝儀袋のことを言います。
ご祝儀袋といえど種類はたくさんありますよね。
それでは、七五三の初穂料で使用するのし袋は、どのようなもの選べばいいのでしょうか?
七五三はこどもの成長を祝う大切な行事です。
ですので、ご祝儀袋は赤と白、紅白のものを選びましょう。
地域によっては白と金の飾り紐のものもありますが、こちらもめでたい時用なのでご使用になって問題ありません。
次に、使用するのし袋は水引(みずひき)が「花結(はなむすび)」になっているものを選びましょう。
水引とはのし袋の真ん中に通してある飾り紐のことです。
花結とはちょうちょ結びのように丸く輪ができている結び方の飾りです。
また輪になっている飾りのものを選びましょう。
嬉しいお祝いごとのときはしあわせがこぼれないように、という意味で、三つ折りにした時下側にくるほうを上にして折り重ねます。
反対ですとお葬式や悲しいイベントのご祝儀袋になるので、注意が必要ですね。
七五三の初穂料に使うお札はできるだけ新札(ピン札)が良いと言われています。
必ず新札で揃えなければいけないわけではありませんが、お祝いで神前に供えるお供え料ですので、気になる方はできるだけ綺麗なお札で用意したほうが気持ちよく七五三の日を迎えられますね。
渡すタイミングはいつ?
七五三のご祈祷をお願いする時は、大抵神社ではご祈祷の申し込み用紙を書くことになりますので、初穂料は社務所で受付する際に一緒に渡します。
大抵の場合、七五三のご祈祷用に申し込み用紙が用意されているので、その用紙に記入して受付で一緒に初穂料も渡すのが一般的とされてます。
ただし、地元の小さな神社で七五三を祝うというご家庭だけではありませんよね。
せっかくの七五三なので、有名な神社にご祈祷のお願いをしよう!という方もいらっしゃるでしょう。
七五三は誕生日とは違い、大抵10月か11月に集中して行う行事なので、有名どころの神社は七五三の対応に追われています。
そのような神社では専用の受付が用意されている場合があります。
その場合は社務所ではなく七五三専用の受付に申し込み用紙と共に持っていくようにしてください。
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七五三の初穂料で感謝を伝えましょう!
ここまで神社でご祈祷をしてもらうために初穂料の準備のさまざまな作法を解説してきましたが、一番大切なことは七五三のお祝いができるまで我が子が成長したという事実です。
七五三はこどもにとってもご家族にとっても大切なお祝いの行事ですよね。
この素晴らしいめでたい日のために、お参りの前にしっかりと準備をして、素敵な七五三にいたしましょう!